今月のおすすめ
最上級の美味しさ届けたい。ゆら柑橘撰果場の「ゆらっ子®」
由良町では毎年9月下旬から、温州みかん・極早生品種の選果がJA紀州・ゆら柑橘撰果場で開始され、それを皮切りに柑橘シーズンが到来します。5月に花が咲いてから、大切に育てられた柑橘の最後の仕上げです。全ての品種の柑橘をひとつひとつ光センサーで糖度を計測、より糖度の高いものを詰め込んだピンク色の箱は、ブランド名「ゆらっ子®」を背負って全国各地へ出荷されます。中でも「ゆら早生」は由良町で発見された事からその名がついた、由良町の自慢の品種です。
美味しさの秘密
毎年、気温や天候は一定ではありません。日照時間が長く雨の降らない年もあれば、台風がいくつもまちを通過する降水量の多い年もあります。農家たちは少しでも柑橘を美味しくするため、毎年変化する自然環境に臨機応変に柑橘を育てています。収穫された柑橘は撰果場に集められ、ランクごとに分けられます。
由良町発祥のゆら早生
ゆら早生は1985年に、由良町の三尾川地区で宮川早生の枝変わりとして発見されました。新種発見から品種登録まで約10年、現在は日本全国で栽培される人気の品種となっています。特徴は外見が少し黄緑色であること。極早生品種特有の酸味がきちんと感じられること。甘さと酸っぱさの適度なバランス、それこそがゆら早生を味わううえでの最大の醍醐味です。店頭に並ぶ期間は長くても10月の1ヶ月間。一度食べると忘れられず、毎年この季節が楽しみになる自慢の品種です。
ゆら早生の栽培の魅力
「ゆら早生は最初に収穫できるみかんで、実りをいちばんに実感できるのはやっぱり嬉しい。」とゆら柑橘撰果場場長の川口さんは話します。9月に撰果が始まると、翌年5月ごろまで数多くの品種がひとつひとつ丁寧に選別、箱詰めされ出荷されていきます。その中でも「ゆらっ子®」は市場でも最上級の評価をされるほどの逸品。「自分たちの育てた柑橘が良い評価をいただけるのも嬉しい。」と、代々受け継がれてきた品質は、これからも大切に受け継がれていきます。
ゆら早生発祥の地、記念の石碑が完成
2021年7月末に、ゆら早生が育てられている由良町三尾川地区のみかん畑、海岸線沿いの見晴らしの良い場所に記念碑が建てられました。記念碑にはゆら早生が発見された経緯、1995年に品種登録されたこと、また由良町から和歌山県へ、和歌山県から全国へ広がっていったことが記されています。発祥の地、由良町で育てられたゆら早生を全国にPRするため、近年は宣伝動画の制作を開始し、柑橘農家、JA職員、地域のクリエイターや町と協力して、町全体でブランド力向上への挑戦をしています。